本日は某所の公共施設の耐震改修の評定を受けてきました。

建物そのものは比較的資料が残っていてスムーズに診断と補強計画の策定ができ、Iwo1.5(=倒壊しない)をクリアできました。

 

ところで、ちょうど昨日の中日新聞に気になる記事が出ていました。

98%が旧耐震基準 阪神大震災、犠牲出た木造住宅  中日新聞 2015年1月5日 朝刊
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015010502000061.html

神戸大大学院で当時、建築学を専攻していた藤江徹氏が阪神大震災における神戸市内の死者の遺族3571人へアンケートを送り1218人からの回答を集計した結果、死者が出た建物のほとんどは1981年に施行されたいわゆる新耐震より以前の木造住宅で、一方新耐震基準で建てられた住宅では、死者が出た割合は2%未満だったとの事です。

調査の偏り等も考えられますが、ここまで明確に新耐震の前と後で差が出るのは驚きです。現行の木造住宅の法令も構造設計者の私としては不十分さを感じていますが、やはり1981年以前に建てられた新耐震前の住宅の耐震診断と耐震補強は急を要しますね。
※新耐震後でも倒壊の被害を受けた住宅も少なくないですが、急激な壊れ方をしなかった・比較的新しい住宅は2階建てで2階の寝室で寝ていたため命拾いをした例が多かった様です。

 

木造住宅の耐震診断については、各自治体が無料診断を実施していますので、まだのお宅は是非受けていただきたいです。
名古屋市の例