平成26年8月22日に施行された告示1399号の改正で木造の壁の一時間耐火の告示仕様が定められ、木造建築もロ準耐1外壁耐火構造が可能になり3年弱が経過しました。

当事務所でも早速ぎふ村おおとみ保育園などで採用して完成しているのですが、ここ最近確認検査機関から「木造でロ準耐1は不可」と回答される事例が相次いでいます。なかには、以前ロ準耐で確認を下ろしている確認検査機関からもダメ出しがでるという不思議。

告示1399号の条文

ダメな理由は「木の下地が認められていないから」だそうですが、告示1399号の条文を確認すると

告示1399号

第1

一 <略>

二  令第107条第一号及び第二号に掲げる技術的基準(第一号にあっては、通常の火災による火熱が1時間加えられた場合のものに限る。)に適合する耐力壁である間仕切壁の構造方法にあっては、前号に定める構造とするか、又は次のイからヘまでのいずれかに該当する構造とすることとする。
イ、ロ、ハ、ニ、ホ <略>
へ  間柱及び下地を木材又は鉄材で造り、かつ、その両側にそれぞれ次の(1)又は(2)のいずれかに該当する防火被覆が設けられたもの
(1)  強化せっこうボード(ボード用原紙を除いた部分のせっこうの含有率を95%以上、ガラス繊維の含有率を0.4%以上とし、かつ、ひる石の含有率を2.5%以上としたものに限る。以下同じ。)を2枚以上張ったもので、その厚さの合計が42㎜以上のもの
(2)  強化せっこうボードを2枚以上張ったもので、その厚さの合計が36㎜以上のものの上に厚さが8㎜以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板を張ったもの

三、四 <略>

五  令第107条に掲げる技術的基準(第一号にあっては、通常の火災による火熱が1時間加えられた場合のものに限る。)に適合する耐力壁である外壁の構造方法にあっては、次のイからハまでのいずれかに該当する構造とすることとする。
イ、ロ <略>
ハ  間柱及び下地を木材又は鉄材で造り、かつ、その両側にそれぞれ第二号ヘ(1)又は(2)のいずれかに該当する防火被覆が設けられた構造(屋外側にあっては、当該防火被覆の上に金属板、軽量気泡コンクリートパネル若しくは窯業系サイディングを張ったもの又はモルタル若しくはしっくいを塗ったものに限る。)とすること。

 

壁については"下地を木材"とはっきり謳われているのですけどね・・・。

 

平成29年5月29日(月)追記

安井昇先生にお話しを聞く機会があったので尋ねてみましたら「違法じゃ無きゃいいんだろ!」と法律の趣旨や建物の利用者の安全性を無視した計画が横行しているために忌避されているのでは?とのことでした。
4号建築と同じ構図ですね。
自分も配慮が欠けていた面があったなと反省。

ロ準耐1を計画するときに注意する点は
・外周が壁で覆われていて、延焼ライン外だからといって建具で全面開放されている様な面が無いこと
・壁は確実に自立できるディテールとすること。
・平屋で規模があまり大きくなく、火災時に速やかに避難できること。
・木材あらわしの部分は極力上の方に持って行って炎に晒されにくくすること。
・プラスターボード勝ちとして梁などの可燃物が貫通しないこと。
など

構造ディテールにも関わってくる事なので整理しておかないと。