木造2階建ての耐震性について過去の記事でも問題提起していますが、一方で長期優良住宅等に対応するため耐震等級2~3を標準化している、これから取り組む住宅メーカーやビルダー、工務店も増えてきています。
耐震等級2以上をとるには全て許容応力度設計による構造設計をするのが理想ですが、現実にはその需要をまかなう構造設計技術者が根本的に不足しているが現状です。当事務所でも引き受けていますがマンパワーの限界がどうしてもあります。
そこで次善策として木造2階建てには住宅性能表示制度に関連する告示1347号第5の耐震等級2~3のための壁量計算(基準法より詳細で実態に近い計算を行う)の制度があるのですが、この告示には基礎の検討方法が定められていません。
長期優良住宅や性能表示の審査実務で基礎は①許容応力度設計と同様の計算を行う②住木センターの基礎スパン表を用いて検討を行うの二つの方法があるのですが、①は結局構造設計技術者が必要になってしまい、②ではスパン表の条件が軒の出制限が厳しく作業も繁雑などがネックになっているようです。
基礎計算シート
そこで、住木センターの基礎スパン表の設計条件に準拠しつつ、軒の出、建物の仕上、基礎の形状等々の建物条件を任意に設定し許容応力度設計のやり方も加味した基礎計算エクセルのシートを考案しました。
難しい計算は不要で利用者は建物の階高や面積、短辺長辺、屋根や外壁の仕上などをプルダウンで選択しあと基礎スラブと基礎梁の寸法と鉄筋メンバーを選択すれば自動計算されますので、意匠設計の担当者でもマニュアルで使い方を覚えれば基礎の計算書を作成することが出来ます。申請上は基礎の許容応力度設計と同様の計算をする扱いになります。
需要があれば、各社様の仕様や使い勝手をカスタマイズして販売しますので興味がございましたらお問い合わせください。
※運用の前に予め確認検査機関との協議が必要です。