2021年3月11日の日刊木材新聞に当事務所の記事が取り上げられましたのでご紹介します。
国産材、特に林業に近い場所の畜舎施設と林業・地元の製材所と繋ぐ試みの記事です。

畜舎の木造化も注目

こうした畜舎は従来鉄骨造で建てられる事が多いのが実状です。しかし、建設コストの上昇を受けて木造でも検討される様になりました。また、牛や豚にとっても木造はストレスが少ないという報告も上がっています。しかし通常の住宅など以上に低コストが求められる畜舎では、従来の在来木造で設計するとまだまだ不経済になってしまいます。

木造畜舎は地域産の国産木材利用に最適

記事の目玉は木造畜舎を地場の山の製材所からプレカット工場を経ないで建築する取り組みです。
杉製材(無垢材)を45~60mmの薄い平角材として使って設計する事で地元で製材しやすくなります。そして、さらにそれを所定の長さに単純にカットしボルト留め等をしていくことで加工もほぼ現場で可能となりプレカット工場の無い地域でも建築しやすくしています。これにより山の近くに酪農の畜舎を建てるとき、地元の山から切り出し・製材→麓のプレカット工場で加工→戻って来て建設という不効率な木材の動きを無くしました。また、プレカット加工が不要なのでコスト的にも有利です。
これらの手法は小規模な物件ではありましたが、当事務所の設計技術を駆使して無柱空間の必要な畜舎でもスパン13~15m程度まで対応可能となりました。

何故プレカットを不要にできるのか

プレカットが不要にできるのは、国土交通省告示第474号「特定畜舎等建築物の構造方法に関する安全上必要な技術基準を定める告示」により畜舎や堆肥舎などの建物は常時人がいる訳では無いため様々な緩和規定があるためです。株式会社i-木構ではこの緩和規定を有効活用して前述の地域の製材所でも挽いて乾燥させられる薄肉材を単純にカットしてボルト留め等で組み立てていく構造方法を確立したわけです。一方で一貫計算プログラムが使えないので任意フレーム解析ソフトで許容応力度計算をしなければならず、構造計算作業は大変になります。当事務所ではこれもマニュアル化・Excelシート等を利用した細部検討の半自動化で現実的な設計費用と設計期間で実現しました。この記事の取材を受けたときには、700~880㎡の畜舎4棟の確認申請を降ろしています。
諸事情で物件の写真等が挙げられないのが残念です。
日刊木材新聞2021年3月11日「特定畜舎の木造化を提案」i-木構 地域産材を地域で製材

※2026年5月25日 文意を損なわない範囲で加筆修正。


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