以前より計画していましたあるお寺の鐘撞き堂付き山門-1階鉄筋コンクリート造、2階壁無し木造の確認申請の訂正が終わりました。

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規模は小さいですが、混構造+筋かいなどの耐力壁の無い伝統工法的な木造というちょっと特殊な建物です。通常こうした耐力壁を設けられない木造は限界耐力計算を行うのですが、それだとかなり設計期間と費用がかかってしまうので今回は木造部分を46条2項のただし書きを適用する所謂「集成材等建築物」を適用して壁量計算の仕様規定を外し、告示593号を適用して適合判定も外してルート1の計算で納めて確認申請を提出しました。
ただし書きの「集成材等建築物」は以前は大断面集成材を使った大規模建築が対象でしたが、現在は適用範囲が拡大されてJAS製材であれば国産の桧などのムク材でも利用できます。この建物も集成材を使うのは無粋過ぎるので桧のJAS製材を中心に構造設計しています。

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今回は四周の腰壁・垂れ壁を合板で固めて柱の曲げ剛性で地震に耐える計画でクリアしました。
ルート1で適合判定も不要といっても一般的な木造の一貫計算プログラムは使えないので、木造部分は任意フレーム解析ソフトを使って解きます。これでも一般の建物に比べ大変ですが、構造設計者としてはやりがいがありますね。

確認が降りたらいよいよ着工です。

 

無事完成しました→ P1010178


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