東京大学の思い出第2回です。前回はこちら

英語をどうする?

前回お話しした英語の試験は、TOEFLというガチめの試験です。英語が苦手な自分はどうクリアするか?そこで救世主になったのは今サテライトオフィスとして利用しているレガーレカフェ栄です。ここはコワーキングスペースで、主に起業家などが集まる場所でもあります。私も一級建築士事務所開設当初から仕事に集中する場所として利用しています。そこには様々な業種で起業する人が集まるのですが、その中で身ひとつでアメリカに渡って仕事をしてきた方が英会話スクールをやっていました。藁をも縋る思いでTOEFL試験のための個人レッスンをお願いしました。こうして3ヶ月の超詰め込みレッスンで英語漬けで必死に勉強しました。大学受験時の英語の偏差値が(自主規制)な私が受かるわけ無いだろうなと心のどこかでは思っていました。しかし、さりとてそこで諦めては一生後悔するので「あれだけやってダメだったら仕方ない」と思えるところまで頑張りました。お陰で受験する頃には英語の会話を自然に理解して、英文の説明も自然に読めるようになりました。今は・・・まぁです(汗)。

試験は筆記と口述、そして研究計画書

出願に当たっては、前述のように専門教科と英語の筆記試験と口述試験(面接)がありますが、出願に必要な資料には「研究計画書」なるものも必要です。大学院というのはただ学びにいくだけで無く「学術研究」をする場でもあるからです。

では、何を研究テーマにするか? 私が選んだのは、実務でトラスの構造設計をしていると常に悩まされる「斜めの嵌合接合」の部分でした。少し前に構造設計を担当した「おおとみ保育園(https://i-mokukou.net/jisseki/ootomi)」の時もそうでした。この接合部は判断が非常に難しいため安全側に寄せて設計していたのです。しかし、もっと合理的に、そして確信を持って設計できるようになりたい。その辺をシンプルに研究計画書にしたためました。

そしてこれが私の博士論文となりました。

直面した「時間の壁」とご縁

出願準備を進める中で大きな現実問題に直面します。当時はまだ私1人の事務所でした。もし運良く合格して大学院に通うことになれば、当然事務所を空ける時間が増え、仕事が止まってしまいます。それではまずいので私が不在時にも事務所を最低限回せる留守を任せられる人が必要となりました。

最初は「単純作業と電話番をやってくれるCADオペが見つかれば」なつもりで求人を出しました。そうしたところ、なんと即戦力の人が「是非働かせてほしい」と応募してきてくれました。彼は前職の取引先の人で、丁度転職を考えていたところにウチの求人を見たとの事でした。彼はその後i-木構のエースとして活躍し、私と同じ東大の社会人院生で修士を取る事になります。

思い返せば、i-木構を開設した当初には前職で取引していた業者さんなどの伝手から仕事を紹介していただいたりと、本当に周りの方々に助けられてばかりです。会社員時代は「下請けに気を遣いすぎ」と注意されたりもしていましたが、仕事をお願いする業者が良い仕事ができるようにとしていた私のスタンスが様々な形で返ってきたわけです。「情けは人のためならず」を実感した出来事でした。

いざ試験へ、しかし周りは…!?

様々な人の助けを借りてなんとか出願を終え、迎えた試験当日。周りを見渡してみると、旧帝大出で有名事務所所属の方やオーストラリアへの駐留経験のある方など、錚々たる経歴の持ち主ばかりが顔を揃えていました。

英語力が(自主規制)な私で「果たして本当に受かるのだろうか……」と不安になりながらも筆記試験、そして口述試験を受けました。

(次回へ続く)

[「おおとみ保育園」をはじめとする、i-木構の構造設計実績はこちら