先日、日刊木材新聞に掲載された記事について、しばしばお問い合わせをいただいております。その中でも建設コストが話題になります。昨今の資材高騰により、従来の鉄骨の畜舎も高騰化しており、木造化すれば建設費を抑制できると期待したものの、思ったよりコストダウンできないという悩みです。
Q. 畜舎の木造化はなぜ思ったより建設費がかかってしまう?
A. 住宅向けに最適化された「プレカット」や「耐力壁」、「特定工法」が、木造畜舎にとってはコスト高要因になってしまいます。
木造畜舎の設計において、予算増に繋がる3つの原因を解説します。
① 特定工法・2x4工法のシステムコスト
パッケージ化された特定工法は、専用金物などその工法自体のシステムコストが上乗せされます。また、安価なイメージのある2x4工法も住宅と同様の構造・施工ルールに縛られます。これらは設計・施工がシステム化されていおり、安定した品質の建物を量産するには合理的です。しかし、住宅より一段高いコストの合理化が求められる木造畜舎ではいささか過剰スペックになってしまいます。
② プレカット加工
木造建築の合理化の立役者であるプレカットは木造住宅においてはコストパフォーマンスを極限まで高めてくれました。しかし、前述の様にコストダウンに比重がさらに高い畜舎では、プレカット加工ですらコストアップ要因になってしまいます。また、地場の木材を利用する場合、「製材所 → プレカット工場 → 現場」と材料が往復することになり、目に見えない運搬コストが無視できない要因となります。
③ 耐力壁が招くコスト増とプランの制約
木造建築の耐震要素のスタンダードな耐力壁は「プレカットされた柱梁のフレームに取り付けること」を前提としています。このため、通常の耐力壁を使ってしまうと②のコスト高要素を取り込んでしまいます。さらに、畜舎特有の「開放的な大空間」を計画したいときの大きな妨げにもなります。
では、これらの縛りを抜け出し、極限までコストを抑えて大空間の木造畜舎を作るにはどうすればいいのでしょうか?
次回予告:どうやってコスト高を回避するか
次回は、コスト削減の切り札となる「緩和規定の最大活用」と、プレカット加工に頼らないアプローチについて解説します。
畜舎に限らず非住宅建築物の木造化をご検討の皆様、ご相談を承ります



