おかげさまで最近は大規模木造を含む様々な物件の相談と依頼をいただき、少しは中大規模木造建物の普及の力になれているかなと思う日々です。
さて、本日大規模木造(といっても延べ床600㎡台ですが)の構造設計が完了したので少しご紹介。
オール国産木材を使った保育園で画面右手の遊戯室の大空間と園庭への大開口を取りたいということで、10mスパンの木造屋根トラスを9.75mスパンの木造平行弦トラスで受ける構造にしています。また地産地消を考慮して木材は画面右手の事務所・保育室だけで無く左手の遊戯室のトラスも地元杉の製材を主に用いています。
木造トラスは金物接合が用いられる事が多いのですが、美観やコスト的に難があるため、木と木を組み合わせた嵌合接合と引張部分の引きボルトで構成して特殊な建材商品や工法無しで設計しています。木造トラスは特にあらわしにして「見せる」事が多いので、単純な構造計算だけで無く、強度的に合理的で美しく見せる知恵が必要です。私もまだまだですが。
接合部のディテールを検討したものをチラ見せ。こんな感じで検討し・強度計算しながらボルト等をなるべく見せないように試行錯誤の上決めてゆきます。引張接合に引ボルト等現代の施工も使いますが、木と木で上手に力を伝えるのには、昔ながらの伝統的な大工さんの刻みの知恵が非常に参考になります。この物件でもいろいろとその知恵を拝借させていただいたおかげでやり遂げることができました。
ありがたいことに、もう一件国産木材を使用した大規模木造の依頼をいただいているので、もうひとがんばりします。
保育園・老人ホーム・店舗等の中大規模木造建築の構造設計・構造計算、事前相談を承ります。
コストダウンの他、国産材・地域材利用、燃えしろ設計、トラスフレーム計算等にも対応し提案いたします。