四号特例いよいよ廃止!?


四号特例は廃止されるのか?

先日国土交通省で以下のパブリックコメントがありました
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155210738&Mode=0

主には省エネルギーとCO2固定の促進のため建築物の木造化の推進と長寿命化がうたわれています。長寿命化の一環として所謂四号特例の見直しが盛り込まれています。
※”4号特例”とアラビア数字で表記される場合も多いですが、当事務所では法律の表記の漢数字の“四号特例”と表記します。

四号特例は当事務所のコラムでも解説しているとおり、木造2階建住宅などが構造計算されず、確認申請でも最低限の法律上の仕様に適合しているのかすらチェックされないという問題があります。四号特例の廃止は国土交通省の方針として示されましたが、ちょうどリーマンショックによる不況が重なり棚上げされたままになっていましたが、いよいよ動き出すようです。

国土交通省の資料の内容を簡単にまとめると

  1. 四号特例廃止では無く縮小
  2. 壁量計算や構造図が省略できるのは平屋200㎡以下に
  3. 構造計算書が省略できる建物を500→300㎡に縮小
  4. 省エネ化で重量が増している対策に壁量計算の規準見直し

以上となります。

1.にあるように、四号特例そのものは廃止されませんが、適用される範囲を大幅に縮小する事になりそうです。ではどのくらいまで縮小されるかというと従来、木造で2階建て以下かつ延べ床面積500㎡以下だったものが2.にあるように平屋で延床面積200㎡以下つまり鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同じ規準になります。つまり一般的な延床00~150㎡程度の住宅は全て特例による設計図書の省略が出来なくなります。具体的には確認申請に壁量計算図表等の法律の仕様規定を満たしている旨の計算書と伏図・軸組図・基礎伏図・基礎断面リスト等の構造図面一式が必要になります。

しかし、許容応力度設計をした構造計算書が必要な建物の延床面積も従来500㎡以上だったものが300㎡以上に厳格化されるものの、前述の一般的な2階建て木造住宅にはまだ構造計算書は求められない見通しです。富裕層向けの大きな住宅もボリュームゾーンは200㎡台なので2階建木造住宅は相変わらず構造計算されない状態は続きそうです。

もうひとつ気になるのが4.の壁量計算の見直しです。資料の原文には「省エネ化等に伴って重量化している建築物の安全性の確保のため、必要な壁量等の構造安全性の基準を整備する。」とあります。これを素直に解釈すると、現状の46条で定めている必要壁量では制定時に前提にしていた建物より現状重くなっているので、必要壁量を増やす、という事になると思われます。また、”必要壁量増やす”でなく”基準を整備する”とあるので品確法の性能表示制度にある壁量計算+水平構面の検討などの計算が追加で求められるようになるかもしれません。

構造図は現状だと木造の伏図はプレカット図で代用するのが主流になりそうですね。しかし、梁架けぐらいまでは建物を設計する建築士が描いて欲しいところです。基礎伏図は今どき描かない設計事務所は工務店はいない・・・はず。

 

四号特例がなくなるのはゴールではない

法改正がこのパブリックコメントの資料通りに実施されると、四号特例は平屋の住宅等に限定され木造住宅の主流である2階建て木造住宅は実質四号特例が無くなり、壁量計算の規定もより安全志向に改正されるのですが、これで木造住宅の安全性の問題が解決出来る訳ではありません。

構造計算書の提出義務は改正後でも延床300㎡を越える建物に限られるため、多くは整備された壁量計算等の基準にとどまります。

また、木造住宅の構造設計ができる建築士は現状でも十分とはいえず、計算ソフトにデータを打ち込んでNGだ出ないようにするだけの計算オペレーター止まりな人員がかなり多いのが現状なので今後需要が急増すると思われる技術者の育成も急務です。また、設計する人だけで無く、確認確認検査機関で構造の安全性を審査する主事らの拡充もしないと、危険な計算やっている申請をハネられないですね。 現状でも木造の構造計算書をちゃんと読める確認検査員は少なくて、確認申請の構造質疑内容が鉄筋コンクリート基礎の質疑がやたら細かい一方で本体の木造部分が殆ど無いという事態がしばしばあります。

消費者たる国民の安全を十分に担保する体制を整えるのにはまだまだ先は長く業界人として申し訳ない気持ちになりますが、当事務所として少しでも良くなるよう努力してゆきたいと思います。

 

 


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