木造防耐火に関する2019年6月改正建築基準法の目玉は?

2019年6月に改正された建築基準法にて木造の防耐火関係が大幅に改正されたので、概要を簡単に解説します。

改正の大きな柱

主な改正内容は以下の通りです。

  • 耐火建築が必要になる高さの緩和
  • 準防火地域に於ける建蔽率の緩和
  • 4階建て75分準耐火
  • 防火床
  • 法61条にて耐火建築と同等の内部木材あらわし建物が可能に
  • 200㎡以下の既存建物の用途変更緩和
  • 有効な空地がある場合の緩和

このなかで、特に新築木造建築に関連の深いものについて、簡単に解説します。

 

高さの緩和

木造の設計で一番身近な改正はこれでしょう。具体的には従来軒高9m超もしくは最高高さ13m超で耐火建築とする必要がありましたが、これが、倉庫や自動車車庫等の除く建物は最高高さ16m超で耐火建築が必要となりました(軒高は不問)。階数は4階建て以上なのは従来どおりです。これにより、準防火地域や22条地域では3階建て住宅や事務所が高さ16mまで準防火やその他建築で建てられます

従来木造3階建てを建てようとすると軒高9mに抑えるために天井高が苦しい計画にせざるを得なかったため、苦労された設計者は多いと思います。軒高9mを超えると構造計算がルート2になり構造設計一級建築士の関与が必要になりますが、今はルート2であれば多くの確認検査機関で適判無しで確認申請が出せるため、天井高の確保した木造3階建てが比較的容易に設計が出来る様になります。

※i-木構は代表が構造設計一級建築士を保有しておりますので、計画の際はご相談ください。

 

準防火地域に於ける建蔽率の緩和

従来防火地域に建つ耐火建築物には10%の建蔽率の緩和がありましたが、準防火地域に建つ耐火建築と準耐火建築物にも10%の建蔽率の緩和が受けられるようになりました。準防火地域の木造3階建て住宅などが恩恵を受けると思います。

 

4階建て75分準耐火

高さ16m超もしくは4階建て以上では耐火建築が必要になりますが、4階建てであればスプリンクラー、自動火災報知設備、面積区画等の条件を満たせば75分準耐火とすることも可能になりました。75分準耐火の石膏ボード厚などはおおむね1時間耐火と同じですが、燃え代設計が可能になります。とはいえ、必要な燃え代は65mmかつ残存断面の小径が200mm以上のため、最低寸法が330×330以上となり大断面集成材を使うことが前提となります。

 

防火床

法26条での1,000㎡毎の防火区画は従来、防火”壁”でのみ可能でしたが、今回の改正で防火”床”も可能になりました。防火床を支える柱などもにも耐火性能が求められるので、木造がらみでは1階RC造2階木造で延床1,000㎡超の建物が主に恩恵を受けられると思います。集会場や老人ホーム等で平面的に分断されない建物が計画できるようになりました。

 

法61条の改正

法61条の改正により、防火準防火地域で耐火建築を要求される場合でも、同等の延焼防止性能を持つ計算を行えば内部を木造あらわし等にする事も可能になりました。しかし本記事執筆時点(2020年1月)で具体的な計算方法がまだ整備されていないため、実務設計で使えるようになるのはもう少し先になりそうです。

 

おわりに

ごくさわりの簡単な説明となりましたが、参考になれば幸いです。今後追加情報等がありましたら適宜更新したいと思います。

 


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