国産材の杉のムク材を使用した2階建て延べ床2500㎡オーバーの大規模木造建築(特別養護老人ホーム)の仮定断面出しをしています。

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この規模で耐火で梁も杉となると補助金を申請しようにもどれくらいの材積を使うのか見当が付かないため、大ざっぱな梁断面を計算して「目安」を出しますが、部材の量がすごいことに。仮定断面とはいえ、いい加減にはできないので、全体の整合性やバランスを見るのも一苦労です。さすがにこの規模だと住宅向けの断面の杉ムク材だけでは無理なので、カラマツ集成材や一部のスパンの飛んでいる箇所に大断面集成材も併用します。それでも主要な柱は120x120、梁も120巾のせい360mmなどに収まる様にして極力地元の大工さんや製材所・プレカット工場で賄えるように配慮しています。

 

こういった大規模木造建築を構造設計するさいには伏図と構造計算プログラムの整合性チェックと反映ができるアーキトレンドが便利なのですが、さすがに重い!ひたすら重い!。仕事道具のパソコンにはそれなりにお金をかけてスペック高めの機種を使っているのですが全然追いつきません。作業用にデーターをRAMディスクに置いてもあまり効果無し。

元々住宅向けのCAD&構造計算ソフトで木造は鉄骨や鉄筋コンクリートと違い面積に正比例して部材点数が増えていくので仕方無いのですが、さすがにデーター保存にも待たされるのは辛い。アーキトレンドZEROになって部材点数の制限が大幅に緩和されているのですが、次は大規模物件での高速化とか頑張ってほしいです福井コンピューターさん。

 

現在この規模の耐火建築はツーバイフォー工法が先行していて、「木質で耐火はツーバイフォーでないと無理」と思っている設計者さんも多く、地元の木材を使いたいけど使えないという事例も多いようです。しかし、現在は木住協の木造軸組構法の大臣認定の耐火仕様が会員以外にも使用料を払えば使えるようになっていて、地産地消で大規模な耐火木造建築もできる環境が整いつつあります。微力ながら国産材利用と地元の大工さん製材所さんのお役に立つ先鞭をつけられたらうれしいと思っています。

 


保育園・老人ホーム・店舗等の大規模木造建築について
一般的な工務店やプレカット工場でも施工できる大スパンの木造トラス、柱梁あらわしなどの構造計画をコストダウンも加味しながら検討・提案をいたします。
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