構造設計事務所のなかには「梁伏図などの構造図面は描かずに略伏図のみにして構造計算料をお安くしますよ」や「予め梁架けをやってくれればお安くしますよ」というところもありますが、i-木構は基本的に梁架け自社で行い構造計算と図面一式で依頼を受けています。別にたくさん報酬がほしいからではなく、低コスト・高強度で施工性の良い構造設計を行う上で切り離せない作業であると考えているからです。

梁架け

i-木構では構造設計するときは最初に床の剛性や耐震性を高く、施工のしやすして、材積をなるべく少なくするにはどうやって梁を架けるのがいいかを考え、梁架けを計画します。つまり、別コラムで書いたコストと強度を両立させた最適な設計を行う為に、i-木構はこの梁架けを最適設計の最初の起点と捉えています。
木造建築における梁架けはスパンが同じでも上階や屋根の形状で最適な架け方が変わるなど、独特なノウハウが求められマニュアル化が困難で構造設計をする上でも難易度の高い作業です。i-木構はだからこそ、梁架を他人任せにせず構造設計事務所自身が行うべきであると考えています。

梁伏図

前述の様に安くする代わりに図面は簡単な略伏図のみ作成するところもありますが、略伏図では継手の方向や梁の勝ち負けが不明瞭で、卍掛けになってしまい施工できない場合や実は筋かいや火打ち梁の強度が低下してしまう、柱や別の梁を受けているスパンに継手があり不安定になるという事態が発生します。また、運良く正しく架けられても現場の建方が煩雑で時間がかかり現場で労働災害が起こりやすくなる場合もあります。
i-木構では梁架けの段階でラフターの位置を考慮して奥から手前に向かって順番に架けられるよう梁の勝ち負けや継手の向きを考慮します。また梁架けが終わった段階で略伏図を印刷し構造計算作業を進めながら梁の勝ち負け、下げ梁の位置や継手、筋かいの位置関係等現場での施工性を考慮し調整しつつ修正してゆきます。そして構造計算が終わる頃には、書き込みをした略伏図を清書すれば梁伏図になる状態になります。こうなると、清書も自分で行った方が手間も少なく確実になるわけです。

責任の所在

起こってはほしくはないですが、万が一重大な設計ミスが発見された場合、梁架け、構造計算、伏図の担当者がバラバラだと、誰の責任かがわからなくなってしまう場合があります。また、略伏図に書かれた指示が伏図を描く人にうまく伝わらず、思いがけない間違いが発生するリスクもあります。

よりよい構造設計を行うために

梁架けや伏図の作業を別の人にやってもらえばその分の作業時間が短縮できるのですが、それではただ計算プログラムにデータを入力するだけのオペレーターになってしまいます。梁架けはコストと強度を両立させる最適設計の起点であり、i-木構は梁伏図は施工性を詰めた確実な図面を作るキモであると考えています。


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